あのメルビル「白鯨」にはこの航海記が下敷きになっていた。

鉄瓶・錆び鉄

2016年11月09日 14:50

その本はナザニエル・フィルブリック著「復讐する海」

1821年当時の太平洋の捕鯨船の実話です。映画の「白鯨」でエイハブ船長が巨大なマッコウクジラを見つけ自ら銛を打ち込み
そのクジラと共に深海に沈んでいくラストは今でも覚えています。
この白鯨の物語はこの本が下敷きになっているといわれています。
簡単なあらすじを書きますと。
トーマスと言う14歳の少年が捕鯨船「エセックス」号に1819年8月12日に乗り込み1820ねん11月20日までの
捕鯨船での捕鯨活動やクジラから油をとる作業、時化た海での状況等が記録されている実話です。
エセックス号はこの様な帆船でした

アメリカ東海岸に北の端にあるナンタケットと言う港から出航したエセックス号は大西洋を東に航海しクジラを探し
南に向かい南極に近いケープホーン岬を回り太平洋に出てチリの沖まで航海するのです

その間マッコウクジラを捕らえ解体し油を抽出し船底の樽に保管しながら航海し若いトーマスは憧れていた船乗りの厳しさを
経験し成長していきます。しかし思いがけない巨大なクジラに体当たりされ船は破壊され乗組員は漂流する事に成ります。
チリ沖の航路図の詳細です

救助されたトーマス・二カーソン少年が晩年レオン・ルイスと言う作家ら当時の体験を書くよう勧められ思い出すままに書いた一冊の
ノートがその後様々な経緯のもと世に出たものであります。
書かれた内容はここに書くことができない事が書かれています。漂流中に小さなボートの中で何が起きたか
如何に長い漂流であったか、実に8千キロもの漂流の上救助されるのです。
この実話の中のクジラが捕鯨船に体当たりし捕鯨船が破壊され乗組員が小さなボートで漂流すると言う下りが
ハーマン・メルビルの名著「白鯨」に通じるのです。
面白いですよ。読んでみてください。今テレビはトランプ氏の当選確実を伝えています。

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