何年か前のブログの再掲載です
さて、いよいよこの話題について締めくくりと、したいと思っています。
これまで記述して来たような事から、1993年JA沖縄経済連はバブル期のブランド豚の
ブームに乗って独自性のあるブランドを作ろうと北農系のアグーを譲り受け、
アグーの経済的な欠陥の克服を、産子性の高く背脂肪の薄い「ランドレース」を掛け合わせ
その雑種を
「あぐー」という商標で1998年売り出す事になった。
1995年鹿児島放送で「幻の黒を求めてー鹿児島の黒豚のルーツを探る」
という番組でそのルーツとして北部農林高校のアグーが紹介された。
「あぐー」のブランド化にめどがついた1979年に全国放送の「動物奇想天外」
でもアグーが取り上げられその知名度が高まった。
この様な経緯から北農にはアグーを譲ってほしいと云う要望が多く寄せられる事になった。
2001年北農のアグー全てを登録し保存会のメンバーとなる畜産試験場と農家に譲られた。
それを元に
「やんばる島豚」「チャグー」「今帰仁アグー」等が次々商品化していった。
その一つは、JA沖縄経済連に次いでアグーを商品化したのは保存会邑のメンバーの一人である
我那覇明さんである。アグーの黒色を生かすために黒色のバークシャーと
茶色のデュロックを用い、黒色の交雑種を作り
「やんばる島豚」と名づけ
2001年ごろから販売を始めた。
アグーを交雑せずに商品化したのは
「今帰仁アグー」の高田勝さんである。
譲り受けたアグーを繁殖させ高い繁殖性を実現した。この北農系純粋種と19世紀に
イギリスによって持ち込まれた「唐豚」の血を引くと言われる「アヨー」との
交雑種の2種類を今は「今帰仁アグー」として販売している。
「チャグー」は北農の太田先生の教え子であった伊野波彰先生等が新たなブランド創出に
研究を重ねた。ランドレース・ハンプシャー・そしてデュロックの交配から「チャグー」
として売り出していた。・・・・
「沖縄の市場<マチグヮー>文化誌」小松かおり著より抜粋
これにて話題の「アグー」の話はとりあえず終わります。
平仮名の「あぐー」が商標としてのアグーである事で他のアグーは平仮名が使えない事が
解り面白く読む事が出来た本でした。
個人的な感想ですが、これまで数回にわたって述べてきたいわゆる「アグー」豚の全種類が
いま全国的に消費されていますが、消費量の全てを沖縄で生産しているのか大変疑問です。
少し調べてみたいと思っています。