一般的に四季と言われている季節用語はご存じの通りですが、
先にも書きましたが、沖縄ではいわゆる旧暦を重んじた行事や、その季節用語に準じた
料理が家庭やおもてなし或いは法事に出されてきました。
私の実家はあまりその様な事は有りませんでしたが
当店の女将の実家は様々な行事毎の料理が出る事がありました。
さて先にも書きましたが24節気それぞれを更に3候に区切り全部で1年を72候に分けて
季節や気候を捉えていた先人の感性の素晴らしさがありますが、
まず、23節気を旧暦の一年の初めから順に並べてみますと、
春は
立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨
夏は
立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑
秋は
立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降
冬は
立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒
となっています。
旧正月には地域によって違いがありますが、豚肉や昆布・田芋等が良く使われていたようです。
来客用にコー菓子やナットゥーンスー等が使われていたとの事
リッチな家庭では酒宴の席に「東道盆」トゥンダーブン等も出たようです。
旧正元旦は「若水」の行事があり、男の子供たちが拝所の井戸から汲んで来たこの水を「若水」
といって、人を若返らせる霊力があると信じられていたようです。
この時「ウビナディ」をする所もあるようです。それは若水を指につけ、おでこを3回なでて
健康を願う儀式です。
旧正の7日には本土で云う七草粥に匹敵するのが、ナンカヌスクと云ってシマナー・ンスナバー・
デークニー・ビラ・フーチバー・等季節の野菜を雑炊にしてお供えし無病息災を祈願したようです。
トゥシビーも旧正の重要な行事ですが16日(ジュウルクニチー)はさらに重要な行事です。
後生の正月と言われている行事です。この時独特の重箱料理が用意されます。
以前私が住んでいた若狭にこの様な行事料理専門の仕出し屋さんが有りましたが、
時代でしょうか閉店したようです。
その後は3月3日の浜下りの頃のサングゥチグーヮシや清明祭(シーミー)の時の重箱料理も
立派な行事料理です。本土ではあまりお墓の前で親族が集まりお供え物を下げた後、皆で
ご馳走をする習慣は無いようですがここ沖縄では春の一大行事です。
この様に沖縄での季節の行事に付随する料理は今も綿々と受け継がれていtますが、
昨今の沖縄家庭料理の様子は伝統から大きく変化しているように感じます。
又の機会にこの続きを調べて書きます。